「炊きたてご飯の香り」成分測定に成功。

これまで、ご飯のおいしさは見た目や硬さ、味など画像解析や測定器で調べられるもので評価されてきた。対して香りは、正確な測定が難しく、主観的な評価になりがちだった。福井大大学院工学研究科と福井県農業試験場の研究グループは、ご飯の香り成分を測定、花などに含まれる香り成分を検出した。

研究では、2019年産米の食味ランキングで「特A」を獲得した福井県産のブランド米「いちほまれ」を使用。炊きたてご飯の香り成分にレーザー光を照射し、イオン化された成分の質量を計測。甘い香りがする「4−ビニルフェノール」と、オレンジやジャスミンの花に含まれる「インドール」が検出された。
また、炊飯器の保温機能で2時間おいた「いちほまれ」を同様に検査すると、インドールが半減することも分かった。収穫後半年から1年経過した米で炊いたご飯でもインドールが半数以上減少したものの、4−ビニルフェノールの量に変化はなかった。
今後は、炊きたてご飯の香りが苦手な妊婦など、消費者の好みに合った米の提案に貢献できると期待される。