ミツバチの代わりに、花粉混ぜたシャボン玉で95%の授粉成功。
ミツバチをはじめとした花粉媒介昆虫は、世界的に減少が問題となっている。北陸先端科学技術大学院大学の研究チームは、はじめ超小型ドローンの底面に粘着質のゲルをコーティングし、花粉を付着させる授粉法に挑戦したが、ドローンの姿勢によってはプロペラが花に当たって傷つけるという課題があった。
そこで植物を傷つけない方法として、花粉を混ぜたシャボン玉を吹き付ける方法の開発に取組んだ。1つあたり花粉粒子2,000個を混ぜ込んだシャボン玉をナシ果樹園に放出する実験では、対象となった花の結実率(受粉後に実がなる確率)は95%となった。これは梵天を使った手作業での授粉と同程度の確率。また、手作業と比較して花粉量は3万分の1で済むため、コストの大幅削減も期待できる。
次に、ドローンに市販のシャボン玉発生装置を搭載して実験。授粉時期でなかったため、ユリの造花を使って実験したところ、90%の確率でシャボン玉を花に当てることに成功。
ドローンを利用する研究をしていた北陸先端科学技術大学院大学の研究チームは、今後、ドローンの精度向上と自動で花を目標にできるように研究を進め、商業化を目指す。
参照リンク:北陸先端科学技術大学院大学