果樹農業の省力栽培に関する調査結果が公表。品質向上など効果を確認。
高齢化の進展や担い手の減少、農地荒廃の加速化などで生産基盤の脆弱化が懸念される果樹農業。労働生産性の向上、経営体の収益改善などの課題を解決するため各地で行われている果樹生産の省力化について、中央果実協会が調査を実施。その結果が公表された。
調査は、
(1)青森県、岩手県リンゴの矮化栽培
(2)佐賀県温州ミカンの根域制限/熊本県温州ミカンの能動整備
(3)福島県日本ナシのジョイント栽培(複数樹を直線上の集合樹に仕立てる栽培法)
の3種の省力化が対象。省力化技術を導入した園地と導入していない園地の労働時間を比較。
リンゴ矮化栽培を導入した園地では、矮化を導入していない園地と比べて10aあたりの労働時間、および1tあたりの労働時間が少なく、労働生産性が高いことがわかった。経営への効果としては「品質が向上し上位品割合が高まった」「単位面積当たりの収量が増加した」と半数以上の経営体が回答。
温州ミカンでも同じく労働生産性が高く、また根域制限園で生産されたミカンは従来方式で栽培のものに比べて価格が高いこともわかった。
日本ナシのジョイント栽培でも労働生産性が高くなり、「雇用労働力への依存度が低下した」と回答した経営体が多い結果となった。
参考リンク:中央果実協会