新型コロナウィルスの影響で中国産野菜の輸入量、大きく激減。
中国産野菜の輸入量が大きく減っている。2020年2月第2週の農水省の植物検疫統計は、タマネギが前年同月比で89%減の579t。ネギが同81%減の291t、ニンジンが77%減の386t、ゴボウは84%減の181tと軒並みの大幅減。これにより、仕入れ値は一時通常の7割高に跳ね上がるなどし、今後の輸入野菜の価格動向には注意する必要がある。
通常タマネギやニンジンなどの輸入野菜は2月から3月にかけて輸入量が増え、その多くが中国産。2020年は暖冬の影響で国産野菜が潤沢にある上、新型コロナウィルスにより中国国内で収穫や出荷作業に制限がかかるなど流通の停滞があり、大幅な減少となった。
中国は国内供給を優先するために輸出向け在庫の切り崩しをしている。このため輸入減の状態は長期化するとみられ、キャベツなどの野菜は輸入品から国産への切り替えが始まっている。ただ、皮むき加工を現地で行っているタマネギは、国内の皮むき加工体制が整っておらず、国産への切り替えは難しいという声もある。