ハウス密閉でネダニ防除効果を実証。密度1%に。

ニラの地下部に寄生し、ニラの葉が片側にねじれ黄色く腐敗する症状を引き起こすネダニ類防除の新しい技術を、栃木県農業試験場病理昆虫研究室が開発。
これまでニラの根元に温水を撒く防除法を開発していたが、この方式は専用の装置と大量の湯が必要となる。そのため、生産者からはさらに簡単な方法が求められていた。そこで、栽培現場で容易に実施できる新しい防除法を開発し、実証実験を行った。
新しい防除法は、作付けをしたハウスを密閉し、土壌の表面をビニールで被覆するというもの。3月中旬から4月上旬に行った実験では、処理開始1週間で処理前と比べて約8%、2週間後には約1%まで減少し、高い防除効果が認められた。また、実験中の株元深さ5cmでは最高地温が50℃以上に達し、ネダニ類が死滅するのに十分な温度条件になることも確認された。
この防除法に必要な資材はビニールの被覆だけのため、コストや労力の削減が可能となる。同研究所では、苗を温水に浸す方法と組み合わせることで、ネダニ類を次作に持ち越すことが防げるとしている。