JA全農、多収米の契約栽培事業を本格化。

業務向け多収米の契約栽培事業を本格化するため、JA全農は多収性品種の原種を生産する法人や一般種子を生産する法人への出資を進めている。2021年産で2万8,000tだった多収性品種の生産実績を、2024年産で倍増を目指す。

主食用米の需要が減少し続ける中、業務用米は中長期的に需要拡大が見込まれている。事業の基盤となる種子の安定供給のため昨年には原種の採種を行う「伊勢原まるほ細野農園」に出資。ついで一般種子の生産を担う岩手県の農事組合法人「胡四王みらい」へ出資した。胡四王みらいでは多収性品種「ゆみあずさ」を東北地方向けに生産。生産した種子は全農が全量を買い上げ、契約栽培農家に供給していく。
異品種や病気を混入させないための管理作業が必要になる種子生産の現場では、調整施設の老朽化や生産者の高齢化、後継者不足など課題が山積している。また、消費者・実需者のニーズ多様化による品種銘柄の増加もあり、負担が大きくなっている。全農による出資や技術指導などで生産基盤を支え、ニーズへの対応力を強化する狙い。今後も出資する法人を増やし、東北以外の産地への種子供給体制も整備していく。