飼料米、複数年契約に上乗せ助成。
農水省は2020年産米から、飼料用米や米粉用米の複数年契約に10a当たり1万2,000円の助成措置を新設する。取り組みに応じて、都道府県に対し産地交付金を追加配分し、主食用米の需給安定に向け、転作拡大の柱となる飼料用米の作付けを後押しする。一方、2019年産まであった多収品種への追加配分1万2,000円は廃止を含めて見直す。
2020年産の主食用米の適正生産量を前年比約10万t減の708万~717万tに決定し、需給安定には2019年産主食用米の実生産量726万tから10万~20万t程度減らすため、飼料用米などの転作を大幅に拡大する。
2020年産米から水田活用の直接支払交付金による飼料用米・米粉用米への助成は、3年程度の複数年契約を基本としていたが、年ごとに作付面積の変動が大きい飼料用米の生産・供給を安定させるのが目的だった。実際、2018年産の飼料用米の7割は3年間継続して作付けされていた。
しかし、主食用米の価格水準をにらみ、農家が作付けの固定化を敬遠する可能性があるとして、複数年契約のアドバンテージとなる上乗せ助成を求める声が出ていた。多収品種への追加配分は作付けするだけで助成額が増えれば収量向上の意欲を削ぐ、ということで見直す。
飼料用米の作付面積はピークとなった2017年度の9万2,000haまで4年連続で増えたが、2018年産から2年連続で減り、2019年産は7万3,000ha。
飼料用米作付け減で交付実績が減っていることが影響し、2020年度予算では、産地交付金を含む水田活用の直接支払交付金に、当初予算比で前年度より165億円減の3,050億円が計上された。