大豆輸入一層不安定に。

コロナ禍による海上輸送の混乱、中国の需要増に加え、ウクライナ情勢の悪化から大豆の国際相場が高騰。日本は食用大豆の8割を輸入しているが、急激に進む円安とも相まって輸入品と国産品との価格差も縮まっている。

世界の穀物価格の指標、米シカゴ商品取引所(CBOT)大豆相場は、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年までは1ブッシェル(約27kg)あたり8〜10ドル台の推移。2020年末からは、コロナ禍に加え中国の需要が旺盛になったことなどを受け、16ドル台まで上昇。2021年には南米産大豆の供給不安、2022年にはロシアによるウクライナ侵攻が加わり、3月には過去最高記録に迫る17ドル台を突破。4月後半にはやや落ち着きを取り戻したものの、16ドル台の高値が続いている。
コロナ禍による混乱と、それに続く海上輸送のコンテナ不足により、食用大豆の輸入量は減少している。2022年2月の輸入量は、コロナ禍前の2019年2月と比べ−28%の3万7,666t。国内では大豆商品の流通に影響が出ると懸念される。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、穀物全般の国際相場は高騰を続けている。加えて、非遺伝子組み換え作物の世界的な需要増もあり、調達競争は激化する一方。円安の進行も調達を難しくしており、今後、輸入原料調達は苦戦を強いられるものと考えられる。

参考リンク:大豆のホームページ(農林水産省)