政府想定を上回る農地減少が明らかに。
耕作放棄や農地の転用による農地面積の減少が止まらない。2015~2019年の5年間に発生した荒廃農地は7万7,000ha、農地転用は7万5,000haに上っている。それぞれ農水省が想定していた2.5倍、1.5倍のペースで増えた。農地の再生が一定程度進んでいるものの、新たな荒廃農地の発生や転用に追い付かない状況。
農地は1961年をピークに一貫して減少、2019年は439万7,000haまで減った。政府が2015年に策定した「食料・農業・農村基本計画」に掲げた2025年の確保目標440万haをすでに下回っている。
2019年までの5年間の減少面積は12万1,000haに及んだ。5年間で新たに発生した荒廃農地と農地以外に転用された面積は、合計で15万2,000haで、一方、再生された農地面積は3万2,000haにとどまり、減少要因が増加要因を大きく上回った。
実際は基本計画の想定外となった。高齢化の進展や担い手不足などで新たな荒廃農地の発生が大きく見通しを上回ったとみられる。現行の対策だけでは、農地減少が十分に食い止められないことが明らかになった。