全国リンゴ大会が北海道七飯町で開催
全国果樹研究連合会は9月3~4日、北海道亀田郡七飯町にて、第61回全国リンゴ研究大会北海道大会を開催した。会場の「七飯町文化センター」には、全国のリンゴ生産者や指導機関の関係者約450名が集まり、記念講演・基調講演・事例発表が行われた。
記念講演として「西洋りんご発祥の地、七飯町とりんご栽培」を演題に、七飯町歴史館学芸員・山田央氏より講演が行われた後、基調講演として「リンゴ栽培技術の変遷とグローバル時代に対応した品種・栽培技術の動向」を演題に、農研機構果樹茶業研究部門品種育成研究領域長・別所英男氏よる講演が行われた。
事例発表では「新しい時代、我が産地の振興方向」をテーマとして、宮城県が完熟りんごの直接販売やもぎ取り体験、首都圏中学生の農泊体験受け入れ、ジュース加工等6次産業化など、果樹経営の取り組みを発表、そのほか長野県、青森県、北海道からも企業を巻き込んでの加工品開発などの事例発表が行われた。最後に、研究大会は下記の「大会決議」を全会一致で採択した。
【研究大会決議】(要旨)
1.リンゴ生産者は、自らの経営と技術を見なおし、新技術の導入に努め、安全で高品質な果実生産や省力・低コスト生産に取り組む。
2.リンゴ産業が直面している課題に対して、生産者及び産地間の連携を強め、次世代に繋ぐ魅力ある産地づくりに取り組む。
3.消費者と連携し、国民の健康増進と健全で豊かな食生活を目指し、「毎日くだもの200グラム運動」や「食育」の取り組みを進める。
4.生産基盤に係る支援対策の強化及び試験研究機関による新技術開発と普及機関による開発技術の早期普及・定着の体制強化を要望する。
5.リンゴ黒星病(DMI剤耐性菌)に対して、予察・防除対策の強化や有効薬剤の開発などで速やかな防除技術の確立を要望する。