シャインマスカットの全ゲノム解読。

「シャインマスカット」は農研機構が開発した欧州ブドウと米国ブドウの長所を兼ね備えた欧米雑種ブドウで、黄緑色で、マスカット香を持つ美味しい生食用ブドウ。種なしで皮ごと食べられる点が消費者に人気で、栽培のしやすさと日持ち性に優れる市場性の高さもあって日本国内の栽培面積、市場流通量ともに拡大、2014 年にはブドウ品種の中で栽培面積第4位、海外市場での評価も高く、輸出量が近年急増中。
今回、かずさDNA研究所と農研機構は共同で「シャインマスカット」の全ゲノム解析を行い、ワイン用欧州ブドウとのゲノム構造を比較。その結果、全ゲノムの 99.4%にあたる配列の解読に成功。
ワイン用欧州ブドウのゲノム解読はされていたが、「シャインマスカット」などの生食用欧米雑種ブドウの全ゲノム配列は未だに解明されず、この状況が生食用欧米雑種ブドウ品種開発の迅速化できないボトルネックとなっていた。
「シャインマスカット」の全ゲノム配列が染色体レベルで明らかになったことで、生食用欧米雑種ブドウの果実品質や病気に対する抵抗性など、より良い品種をつくるための重要な遺伝子に関わる研究が大きく進むことが期待できる。