病原菌や有害ミネラルの流入阻止、イネの選択的養分吸収に必要な「カスパリー帯」の形成機構を解明。
岡山大学の研究グループは、イネの根のカスパリー帯の形成に必要な遺伝子を世界で初めて突き止め、選択的養分吸収における役割を解明した。
根にあるカスパリー帯は病原菌や有害ミネラルの流入阻止、選択的な養水分の吸収制御に重要な役割を果たしている。イネの場合、根の外皮と内皮に二つのカスパリー帯があり、研究ではOsCASP1という遺伝子が、内皮のカスパリー帯の形成に関わることを発見。OsCASP1を破壊すると、内皮のカスパリー帯の形成が不完全となり、ミネラル吸収のコントロールができなくなって植物の生育が阻害されてしまった。この研究成果により、長年不明だったカスパリー帯形成の分子機構が明らかになった。これにより、ミネラルの過不足が生じる不良土壌での植物の生育の改善や、作物の栄養価の向上などへの応用が期待される。