収量を倍増させる遺伝子を、イネ科のソルガムで特定。

イネ科植物のソルガムは、世界で最も重要な食料、動物飼料、バイオ燃料の供給源の1つであり、干ばつ、熱、高塩分条件に対する耐性が高いため、研究用のモデル作物と見なされている。アメリカ農務省の農業研究局とコールドスプリングハーバー研究所(ニューヨーク州)の共同研究によって、このソルガムの収量を倍増させられる遺伝子が特定された。
この遺伝子を品種改良に使えば、米、小麦、トウモロコシなど他の作物も増産できる可能性が広がると期待されている。
研究チームは、ソルガムのMSD2遺伝子で発生した新規の遺伝的変異を特定し、穀物収量を200%増加させた。 MSD2は、種子や花の発達を制御するホルモンであるジャスモン酸の量を減らすことにより、花の雌性器官形成性を高める遺伝子系統の一部。これにより、これらの花の雌性器官の完全な形成が可能になり、生殖能力が向上する。MSD2は、昨年発見された遺伝子であるMSD1によって規制されている。いずれかの遺伝子を操作すると、種子と花の生産が増加する。
チームは現在、大規模な圃場試験で遺伝子の1つ(MSD2またはMSD1)を使用してソルガムの収量を改善できるかどうかを研究している。