ローカル5Gを活用した遠隔農作業支援の実証実験。

自治体や企業が一部のエリアや建物・敷地内に、専用の5Gネットワークを構築する「ローカル5G」を利用した新しい農業技術の実証実験が東京都とNTT東日本などの共同により行われている。

実証実験では、調布市にあるNTT研修施設内に設けられた試験ほ場のハウスと、約20km離れた立川市の東京都農林総合研究センターを結び、ネットワークカメラや走行型カメラ、作業者が身につけたスマートグラスなどで栽培中のトマトを撮影。5Gの高速回線を用い、高解像度で大容量の映像データを送信。農業技術に詳しいセンターの専門家が映像をもとに病気の予防や手入れ、収穫のタイミングを作業者に助言。約500平方メートルのハウスでトマト350株を栽培し、農業経験のない作業者の手で、市場に出せる品質のトマトを収穫することができた。
東京では小規模で分散した農家が多く、また新たに農業を始めたいと考える人もいるため、指導員が効率よく巡回し、収益力を高める仕組みが求められている。実用化には導入コストの課題が残るが、遠隔地指導なら移動時間を大幅に節約することが可能。東京都以外の中山間地域での活用も期待される。

参考リンク:東京型スマート農業プロジェクト