ピーマンモザイク病を予防する植物ワクチン。
ピーマンモザイク病の防除で長年に渡り使用されてきた土壌くん蒸用臭化メチル剤がオゾン層を破壊する物質に指定され全廃となったため、新たな防除法として「植物ワクチン」が開発された。
ピーマンモザイク病は、トウガラシ微斑ウイルス(PMMoV)により引き起こされる。感染は種子・土壌・接触伝染で拡大し、ピーマンなどがこの病気に罹ると葉にモザイク症状が現れ、その後生育が抑制される。ウイルスは伝染力が強く、また地中に残った根にウイルスが長期間とどまるため、過去に病気が発生した圃場での新たな栽培でのリスクが高い。
ある種のウイルスに感染した植物は、同種もしくは近縁のウイルスに感染しないことが知られている。そこで予め弱毒化したウイルスを植物に接種することで、強毒ウイルスの感染を防ぐことができる。PMMoVを弱毒化する遺伝子の特定ができたことにより「植物ワクチン」を作ることができた。この植物ワクチンは試験栽培で高い防除効果を示し、生物農薬登録され使われている。
参考リンク:法政大学