サツマイモの線虫抵抗性個体を選抜するDNAマーカーを開発。

サツマイモは、アジア、アフリカ、中南米などで盛んに栽培されている重要な作物のひとつだが、線虫の感染被害を受けると収量や品質が大きく低下する。線虫発生の抑制には農薬を用いた土壌消毒などによる防除が行われるが、コストがかかり、消毒作業による刺激臭の発生などの問題点が指摘されている。線虫防除用の農薬を減らす、もしくは使用せずに栽培するためには、線虫への抵抗性がある品種の育成が望まれるが、サツマイモは倍数性という特徴を持つため遺伝様式が複雑なため、DNA情報を利用した遺伝解析や品種育成は極めて困難。
岡山大学と農研機構、かずさDNA研究所の共同グループは、次世代シーケンサーを用いた大規模な遺伝解析により線虫抵抗性に関わる遺伝子領域を特定。抵抗性個体を高効率で選抜可能なDNAマーカーの開発に成功。この成果は今後、サツマイモ以外で倍数性を持つ多くの植物種に対してDNA情報を生かした品種育成やDNAマーカー選抜育種が活発になると考えられる。

参考リンク:岡山大学