冬春トマトの「黄変果」、発生条件と対策。

冬春トマトで暑い時期に発生する「黄変果」の発生条件を、熊本県の農業研究センターが解明。
対策となるハウスの遮光開始時期の検証も行い、4月上旬からの遮光が有効と判明。

黄変とは、トマトの肩部分が赤くならず、黄色になってしまったもの。赤色色素のリコペンが生成されにくくなるために発生すると考えられる。果底部の半分以上が黄色のものを「黄変果」と呼び、規格外品になる場合が多い。発生には温度が関係することが知られていたが、詳細な条件は分かっていなかった。
研究では、成熟ステージと果実温度・持続時間の観点から発生条件を究明。果実温度が33度以上で96時間、35度で72時間続くと黄変果が発生。ハウスの温度上昇を抑える対策としては遮光(遮光率50%の資材を使用)があるが、遮光の開始が早いと収量が減る。販売収量の確保と黄変果の低減のバランスから、適切な遮光開始日は4月1日が適切と判明。これより早いと収量が減り、遅いと黄変果の発生率が上がる。
熊本県の主産地では、県とJAが対策で効果を上げており、これまで多い時では選果場で1割を超えていた黄変果の割合が減っている。

参考リンク:研究成果(野菜)(熊本県)