水田微生物を使った燃料電池で発電できることを確認。実用化へ。
微生物が有機物を分解する過程で生じる電子を利用して発電する「泥の電池」こと微生物燃料電池。微生物を利用して発電する泥の電池を水田に設置し、発電することを佐賀大学とニシム電子工業の共同研究チームが実証実験で確認した。
これまでの微生物燃料電池は、密閉された容器の中で特定の微生物を使う形式だった。泥の電池は、現場の泥に生息する微生物をそのまま用い、可能な量の電力を取り出すとともに、泥の浄化を促進することをコンセプトにしている。
8月に佐賀県吉野ケ里の水田で行われた実証実験では、淡水で発電しやすいよう改良された小型装置を水田の泥の中に直接埋め込み、水田に生息する微生物を使う形をとった。実験では0.45Vの最大電圧と3.5mAの最大電流が発電で得られた。
電力として実用化するためには、少なくとも10倍の電流が必要。今後も実証実験を継続し改良を重ね、2〜3年後の実用化を目指す。
参考リンク:佐賀大学