コロナ禍で担い手農家の農業景況DIは大幅悪化。

2020年上半期の農業景況DIは前年の31.9ポイントから大幅に悪化し、-25.9ポイントになった。通年の見通しではさらに16.1ポイントの低下で大幅なマイナス値が継続する見込み。雇用状況DIもマイナス値だが、設備投資予定ありの比率は過去10年で最高値。担い手農家の設備投資に対する姿勢は積極的。

日本政策金融公庫が調査。1万8,219件に調査票を送付し、5,464件(30.0%)の回答があった。
景況DIは農業全体では2020年上半期で-25.9ポイント、通年見通しで-42.0ポイントと大幅なマイナス。業種別では養豚以外の全業種がマイナス。上半期収支DIは農業全体で-31.6ポイント。養豚以外の全業種でマイナス値となった。特に、茶(-85.0)、肉用牛(-81.7)施設花き(-67.9)は大きなマイナス値に。養豚は前年(-7.8)からから大きく改善し+31.6となった。
資金繰りDI(-20.1)、販売単価DI(-31.4)が大幅な悪化。生産コストDI(-32.9)、雇用状況DI(-29.2)もマイナス値が続く。
設備投資予定ありの比率は57.3%と過去10年で最高値となり、投資額も「前年より増加」が47.1%、「前年と同程度」と合わせると80.6%となり、積極的に設備投資する姿勢がうかがえた。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、約半数の49.5%が「マイナスの影響がある」と回答。肉用牛(95.6%)、茶(91.0%)、施設花き(83.2%)は他業種に比べ影響が大きい。
※景況DI/収支DI:「良くなった」の回答数から「悪くなった」の回答数を差し引いた数値。

参考リンク:日本政策金融公庫