深水管理が、コメの食味を向上させ、安定生産を実証。
水田の水位や水温などを測定し、スマートフォンなどを利用して離れた場所から状態を確認できる水田センサーを稲作の深水管理に応用し、食味を向上させたコメの安定生産が可能であることが実証された。
実証実験は秋田県農業試験場が行った。水田にセンサーを設置し、水位15センチの深水管理を実施。深水は有効茎歩合を高め、整粒歩合の向上による等級改善や、コメのタンパク質含有率を低下させ食味向上につながることが知られる。これまで水位を管理するには頻繁に圃場の巡回が必要だったが、水田センサーの設置でリアルタイムでの水位把握ができ、きめ細やかな水管理が可能となった。
深水管理で生産した「あきたこまち」は、有効茎歩合が88.6%と浅水管理のものより7ポイントの上昇がみられ、10aあたりの収量は570㎏。タンパク質含有量は浅水管理のものより0.2ポイント低い6.1%で、食味検査でも総合的に味が良いとの評価を受けた。
今後は、水田センサーのコスト削減が課題となる。本体価格を従来の1/3、通信費用を1/20にすることを目標としている。
参考リンク:農林水産省