水稲作柄概況調査に衛星データと気象データを利用。遅場地帯ではデータから作柄を予測。

これまで実地調査のみで行われていた水稲作柄概況調査。遅場地帯の実地調査をやめ、衛星データと気象データを活用した予測による収量の推計を用いる。対象となる地域は、関東、東海、近畿、中国の一部と四国、九州の計27都府県。

7月~9月の3ヵ月間に全国各地で水稲の育成状況を調べ、作況概況を発表している。遅場地帯では8月15日時点での出穂が十分ではなく、作柄の予測が困難だった。新しく導入される方式では、降水量、日照量、地表面温度、植生指数を衛星から、降水量、気温、日照時間、風速などを地域気象観測システム(アメダス)から、また圃場の位置や市町村境界を国土地理院のデータを収集。これらデータを農水省が作成した予測式に当てはめ、10aの収量を推計する。
作柄の予測は実証実験を2017年から2年間行い、予測値と実測値を比較。九州の一部で8月15日時点でのデータからは予測困難な、その後の台風による減収が原因で予測精度が低くなったことを除けば、おおむね2%以下の誤差に収まり、予測方式の導入が可能であると判断。今後は生育の早い北海道、東北、北陸など早場地帯でも活用できるかの検討に入る。

参考リンク:農林水産省