サツマイモ基腐病、鹿児島県は前年並み。
今年のサツマイモ基腐病発生状況は、作付面積日本一の鹿児島県では被害が少なかった前年並みに抑えられている。
健全な種芋・苗の使用や排水対策の徹底、抵抗性品種の普及などが功を奏していると考えられる。
基腐病の原因菌は、雨や風で胞子が拡散、蔓延すると考えられている。鹿児島県では8月の台風で激しい風雨に見舞われた地域があったものの、8月31日の時点で、基腐病が1株でも確認された圃場は35%にとどまり、発生を抑えられている。
発生抑制の要因としては、ウイルスフリー苗や殺菌処理された苗の利用、抵抗性品種の普及、苗床の消毒、排水改善、生育初期段階での感染下部の抜き取りなどの総合的な対策が徹底されたため。登録農薬の増加も抑制の助けとなった。
また、排水不良が病気発生の要因となるため、圃場から排水口への水の流れが畝立てなどで遮られないよう、工夫が必要となる。排水路がない場合には、水が貯まる位置に深さ50cm〜1メートルの溝を付け、地下排水を促すのが効果的。
一方で、早期に残渣をすき込んで分解を促すなど、収穫後の対策も重要で、収穫後からすぐに来年の対策が始まると呼びかけている。
参考リンク:病害虫発生予察情報(鹿児島県)