サツマイモ基腐病に抵抗性のある焼酎原料用のサツマイモ新品種。

焼酎用サツマイモの主力品種「コガネセンガン」に比べサツマイモ基腐病に強く、多収の上焼酎にした際の酒質が「コガネセンガン」の焼酎に似ており、またデンプン収量も多く、デンプンの白度も高いため、デンプン原料用としても優れている新品種「みちしずく」を、農研機構が育成。

全国のサツマイモ栽培面積の2割以上を占める「コガネセンガン」は、サツマイモ基腐病の被害が大きく、焼酎原料の供給不足が深刻化している。
同病への抵抗性をみる試験は、多発した鹿児島県の畑で実施。5月に植え付け、9月に収穫したところ、収量全体に占める健全イモの割合は「コガネセンガン」が2〜4割だったのに対し「みちしずく」は6〜9割と高かった。10aあたりの収量(3ヵ年平均)は、「コガネセンガン」の3,680kgに対し4,250kgと16%多かった。
種芋の生産は2022年春から鹿児島県、宮崎県のJAや焼酎メーカーによって始められており、農家はこれらの団体を通じて種芋を入手することができる。また、他産地では農研機構が熊本県で生産した種芋を供給する。
「みちしずく」は、2023年に130ha、2024年には1,000haの栽培を見込む。2026年に2,000ha以上の普及を目指し、焼酎・デンプン原料の安定供給につなげる。

参考リンク:プレスリリース(農研機構)