サツマイモ基腐病を早期診断できる新技術開発。
サツマイモ基腐病と、その類縁のサツマイモ乾腐病の病原菌を検出できるDNAプライマーを用いたリアルタイムPCRによって、最短約1日で高精度に病原菌を検出・同定できる技術を開発。
基腐病菌と乾腐病菌のrRNA遺伝子の塩基配列から、両菌を特異的に検出できるDNAプライマーを新たに設計。DNAプライマーを用いたリアルタイムPCRでは、両菌を高感度で定量的に検出が可能。基腐病と乾腐病の両方に感染している状況において、片方のDNA濃度がもう一方のDNA濃度の1万分の1しかなくても検出できる。また、サツマイモのDNAと菌のDNAの濃度を変えて混合しても、菌のDNA濃度がサツマイモのDNA濃度の1万分の1でも菌の検出が可能。
診断では、茎で5〜10mm程度、塊根で7mm角程度の試料を用い、最短1日で結果が出る。
サツマイモ基腐病は2018年に国内で初めて確認され、東北から九州まで19都県で発生が確認されている。乾腐病は以前から国内の広い地域に分布しており、その病原菌(乾腐病菌)は基腐病菌の類縁種。両菌は形態が類似しており、これまでの診断では2週間ほどの時間がかかっていた。
今後この技術を使うことで、発生の早期把握が可能となり、適切な防除対策を早期に講ずることができる。すでにいくつかの県での確認に利用されており、今後は都道府県での利用が期待される。
参考リンク:プレスリリース(農研機構)