下水汚泥から回収する再生リンを増産。神戸市は市内需要の半分を賄う体制を構築。

全国に先駆け下水汚泥から回収した再生リンを肥料の原料として使い始めた神戸市は、2025年に新たな製造施設を稼働させ、供給量を現在の2.5倍に増やす。

神戸市は、市内の下水処理場「東水環境センター」の再生リンを年間100t生産できる製造施設を設置。2022年度は80tを供給した。
これに加え、新たに「玉津処理場」に製造設備を建設し、年間で最大合計200tの再生リンを生産できるようにする。建設期間は1年前後で、総工費数億円規模を見込む。
神戸市の農地面積は4,350haで、うち9割が水田。市内で使われる肥料の原料リンを全て再生リンに置き換えるためには、年間400tが必要と試算されている。2箇所の施設で半分を賄えることになる。
リンは、そのほぼ全量が輸入に頼っている。最大の輸出国である中国が輸出制限をしたため、輸入リンの調達が不安定化。代替品として再生リンに注目が集まっている。現在、神戸市のほか島根県、岐阜市、鳥取市、福岡市の5自治体が生産している。

参考リンク:資源循環「こうべ再生リン」プロジェクト(神戸市)