下水汚泥再生利用、福岡市再生リン回収量10倍に。

福岡市は下水に含まれるリン酸の回収を1997年から開始。回収した再生リンの肥料化に取り組んでいる。2022年4月には最新の設備を導入し、これまでの約10倍にあたる年間100tを回収。
回収されたリン(再生リン)を使った肥料は、価格を2割程度抑えることができ、肥料価格の高騰対策になる。

下水に含まれるリン酸は、そのまま海洋に流してしまうと海の富栄養化が進み、赤潮の原因になるため、リン酸の回収事業が開始された。
下水汚泥からのリン酸回収には、MAP法(アンモニアとリン酸が共存する場合に、マグネシウムを添加することでリン酸マグネシウムアンモニウム結晶として回収する方法)が用いられる。
再生リンはJA全農ふくれんとの連携で肥料の原料となり、販売されている。
政府も下水汚泥の肥料利用の拡大に向け、検討会を開催。法整備やリン酸以外に下水に含まれる重金属に対する安全性の担保、成分の安定化、価格設定などの課題が議論されている。

参考リンク:農林水産省