コシヒカリ、地球温暖化で白未熟粒倍増。

地球温暖化の影響で2040年代には、「コシヒカリ」の白未熟粒が全国で2010年代の2倍に増えるという予測を、茨城大学、茨城県農業総合センターなどの研究グループが発表。
これまでのペースで温室効果ガスの排出が増え続けた場合、21世紀末に気温が4度上昇。2040年代に全国の平均白未熟粒発生率は12.6％（2010年代は6.2％）。経済損失は1年間で442億円、2010年代の5.15倍と推計。
白未熟粒は登熟期の高温で多発し、米の検査等級が下がる。このため農家収入が減ることになるが、これまで明らかになっていなかった発生率の増え方や経済損失を、主要品種である「コシヒカリ」で日本全国を1km四方ごとに区切って予測。
温室効果ガスの排出量は、パリ協定の目標量に抑えられた場合と、これまでのペースで増え続けた場合の二つの想定に基づいて算出。全国の白未熟粒発生率の平均は、パリ協定の目標量に抑えた場合でも、2040年代に10.9％に増えることが判明。これは2010年代の約1.5倍に相当する。さらに2等米以下の水田面積の割合は、2040年代には低くて26.2％、高ければ32.9％と推定。2等米の発生が増え、年間の経済損失は低くて351億円、高ければ442億円と算出。