高齢農家の農機安全意識は低い。トラクタの反射板は未装着、防護カバーなし。

2018年に実施された農業機械の事故に関する調査結果によると、高齢者の事故が非常に多いことが判明。農業者の高齢化による身体能力の低下が事故原因、さらに農機の古さや不十分な整備も事故原因の一つとされた。
トラクタの低速車マークは、道路で後続車の追突を防ぐために取り付けるが、現行の安全性検査(旧安全鑑定)では装着が義務化されているものの、過去には義務化されていなかったこともあってか、未装着率が85.6%と、装着率は低かった。視界の関係でわざわざ撤去したとの状況も数件あった。
安全キャブ・フレームの装備を点検したところ、未装備は15.7%あった。他にも、「シートベルトが付いていない」「動力取り出し装置(PTO)軸周辺を防護するカバーの回り止めチェーンがない」などのケースも。刈り払い機では、刈り刃部分の飛散物防護カバーが正常なものは6割弱、取り外してしまうケースが25.6%、位置をずらして使っているものが15.7%で、不備の割合は41.7%だった。
刈り刃そのものの「ガタ、緩み、欠け」などは9.2%。これらは作業性だけでなく、チップが外れて飛散するなど事故につながることもあり、危険。
日本農業機械化協会では「農機の整備が不十分なことも、高齢農家に事故が多い原因の一つ」と分析しており、作業前の点検・整備の重要性を訴えている。