都市農地の役割と可能性を提示。

政府は2019年度の土地白書を公表、その中で、都市農地の持つ多様な機能を紹介した。
○農産物生産機能……食料生産等の農業の基本的機能
○防災協力農地……災害時の避難場所、延焼の遮断、仮設住宅建設用地の提供など
○交流・レクリエーション機能……農園での市民相互・農家との交流を通じたコミュニケーションの形成
○精神安定等癒し・リフレッシュ機能……生産・収穫の喜びや農作業を通じた老齢化防止、園芸療法によるリハビリテーション・精神安定等癒し・リフレッシュ機能
○教育・学習・体験機能……自然や農業を通じた情操教育や環境教育など
○ヒートアイランド現象の緩和……農地や水路等の水の蒸散による気温上昇抑制効果等による気候緩和
○景観形成機能……潤いのある景観、日本の原風景、季節の変化を感じる風景等の形成
○リサイクル機能……農業の物質循環的機能を活かした、有機資源の堆肥化による環境保全型農業の実施
○自然環境保全機能……大気や水環境の保全、生態系維持機能、遺伝資源保全など
また、都市農業経営のあり方として「地産地消」の推進、魅力ある直売所の展開。都市農業としての立地を生かした契約栽培の推進と地場産農産物の魅力をアピールする。地場産農産物認証制度の設立などを挙げ、地域ブランド化の実際を紹介。
さらに、減農薬・減化学肥料栽培の推進、有機資源リサイクルシステムの構築の実用性に触れ、家庭生ごみの堆肥化利用による資源循環システム、市街地の酪農家の家畜ふん尿利用の実例を紹介。
担い手の育成の重要性にも言及し、市民農園や農業ボランティアを担い手として位置づけるとともに、農家の共同による農業法人の設立や技術研修、新規就農の受け入れ体制の構築などを提案。 農業者と市民が共同で運営する農業生産法人の実例などを紹介。