「早生」「短稈」「製パン性に優れる」と三拍子揃った西日本向け小麦品種「はるみずき」
農研機構は、西日本の主要なパン用小麦品種「せときらら」より子実のタンパク質含量が高く、小麦粉の生地の物性が強く、製パン性に優れる小麦品種「はるみずき」を育成した。
西日本地域では、多収で製パン性に優れる「せときらら」が、それまでのパン用小麦品種「ニシノカオリ」や「ミナミノカオリ」に替わって普及したが、今回育成した「はるみずき」は、子実のタンパク質含量が「せときらら」より約1%高く、小麦粉の生地の物性が強い品種。製パン試験において、「せときらら」より作業性、および官能評価の外観、内相の評価点が高く、製パン性に優れている。
また「せときらら」より成熟期が2日早い早生で、稈長が短く倒伏に強い。「早生」「短稈」「製パン性に優れる」と三拍子揃った西日本向けのパン用小麦として期待が大きい。大分県では奨励品種に採用予定で、「ニシノカオリ」と「ミナミノカオリ」に替えて、2023年には800haの栽培が予定されている。