小麦の葉緑素発生過程が解明される。
小麦の葉の光合成は、2段階の葉緑体発生過程を経て成立する。
小麦などイネ科の葉は、基部から先端に向けて成長するため、葉の組織を観察することで葉の細胞内で色素タイヤ葉緑体などの発生段階を調べることができる。研究では、パンコムギの葉を基部から先端まで詳しく観察。色素体や葉緑素の数や大きさから15段階に分類・定義し、各段階の組織を詳細に調査。コムギゲノム上に見いだされた10万個あまりの遺伝子のうち、葉の発生段階で変化する約4万個の遺伝子の発現時期と発現量を明らかにした。これにより、葉の細胞が成熟して光合成を行うようになるまでの過程が2段階に分かれることが判明した。
コムギの葉の発生過程における詳細な遺伝子発現マップが作成されたことにより、今後イネ科の光合成機能を向上させる研究に有用な知見を与えることができ、光合成機能向上による収量性向上を目指した育種などへの応用が期待される。理化学研究所、横浜市立大学、ロンドン大学の国際共同研究チームがはじめて解明した。
参考リンク:横浜市立大学