コメ国際価格急騰。干ばつ、塩害で主要輸出国の生産量伸びず。

コメの国際価格が上昇傾向。指標となるタイ産の輸出価格は3月下旬に1t約550ドルまで上昇。2013年8月以来の高値を付けた。ベトナム産も1t400ドル超で18年8月以来の高水準。主要生産国の生産落ち込みが主原因。
タイのチャオプラヤ川流域、ベトナムのメコン川下流域など、主要産地の降水量は例年より3割少なく、最近で深刻だった2016年を上回る危機的渇水状況に陥っている。その影響でタイでは例年の3分の2、隣国ミャンマーでも4分の3程度の作付けとなった。
18年のタイの輸出量は約1100万tだったが、20年は750万tと大幅な減産の見込み。仮に今の干ばつが6月まで続けば、2〜7月の生産量は前年同月比で半減との予想も。ベトナムではメコン川上流の中国南部でのダム建設により水量が低下。降雨量の減少もあいまって水位が低下。海水の逆流によってメコンデルタ地域では約1万8000haに及ぶ塩害が発生。
2019/20年産の世界のコメ生産量は5億1200万tと前年比0.5%減だが、消費量は逆に1.3%増の5億1600万tと見込まれ、今後もコメの国際相場は上昇不可避と予想される。