生分解性園芸シート、野菜栽培で効果。
主にトウモロコシなどのデンプンや植物由来の樹脂を原料とし、土中の微生物によって水や二酸化炭素に分解される「生分解性プラスチック」。この素材を使ったマルチフィルム「生分解性マルチ」は、従来のポリマルチと異なり収穫後トラクターで土中にすき込むことで分解されるため、除去の必要がなく破棄にかかる労力と経費の削減につながる。
生分解性マルチを使用した場合の農作物や農地への影響などを調べる実証実験を、新潟県五泉市が行った。ポリマルチと生分解性マルチそれぞれを、里芋、オクラ、枝豆、ナス、大根、カリフラワー、キャベツ、白菜、ブロッコリーのほ場で収穫まで使用し、月2回成長過程を計9回記録。里芋以外の作物では成長に差が認められなかった。里芋も土寄せまでの間は成長の差を感じたものの、土寄せ後は差を認められなかった。耐久性では半透明タイプは被覆から1カ月〜1カ月半程度で裂け、黒タイプは概ね3カ月程度で土と接している端の部分から破れ始めることが分かった。また、実験した全てのほ場、全種類の生分解性マルチで雑草による突き破りはほとんど見られず、破れたところから雑草が多く生えてきているとの結果となった。