ツマジロクサヨトウの被害、稲・野菜では無し。
イネ科の作物などに被害を与える外来害虫の「ツマジロクサヨトウ」。国内では2019年7月に初めて確認され被害が懸念されたが、稲や野菜への被害はほとんど報告されていない。ただ、この害虫が最も好むとされている飼料用トウモロコシでは被害が出ており、注意が必要。
ツマジロクサヨトウは1世代で500km、1晩で最大100km移動するなど、長距離飛翔することが知られている。日本へは春から夏にかけて飛来。2021年9月までに全都道府県での侵入が確認されているが、気温が氷点下になると死滅するため、越冬の可能性は低い。
2019年7月の初確認直後に緊急対策が実施され、発生状況の調査と薬剤や散布機の購入助成が行われている。
適切な防除が行われないと、多くの農作物に甚大な被害が生じると危惧されているが、これまでに確認されている被害の大半が定期防除をしない場合が多い飼料用トウモロコシ。一部にスイートコーンの被害があったが、以前から薬剤散布など定期的な防除が行われている水稲や野菜類では被害が確認されていなかった。このことから、特別な対策をしなくても、一般的な害虫対策で防除できる可能性があるとみられる。
参考リンク:ツマジロクサヨトウに関する情報(農林水産省)