トマトギバガの発生、国内4県目。
トマトなどナス科の害虫「トマトキバガ」が大分県県南西部のトマト施設周辺で成虫が確認された。国内では2021年10月に初めて確認された熊本県、12月の宮崎県、今年3月の鹿児島県に次いで4県目。
トマトキバガは南アメリカ原産。2006年にスペインへの侵入が確認され、ヨーロッパ、アフリカ、中央アメリカ、西アジア、アラビア半島、インド、ネパール、東南アジアへと分布を拡大。2021年5月までに台湾、中国、中央アジア諸国などでも発生が確認されている。
トマトでの被害では、幼虫が葉の内部に潜り込んで食害。食害部分は表面のみ残して薄皮状になり、白〜褐変する。果実では幼虫が侵入して内部を食害するため、果実表面に数ミリ程度の穿孔痕が残り、食害部分が腐敗する。
主要な寄主植物はトマト、ピーマン、ナス、タバコ、バレイショなどのナス科植物だが、マメ科のインゲン豆も寄主植物として確認されている。また、海外ではピレスロイド系やジアミド系などの殺虫剤に対する抵抗性を獲得した個体群の報告もある。
現在、トマトキバガに対する登録農薬はないが、植物防疫法第29条1項に基づく措置として、別紙(リンク中4〜6ページ)に記載された農薬による防除が対策として挙げられている。他には、圃場を見回り見つけ次第捕殺する、被害葉や被害果は圃場外に出し、速やかに適切に処分することが求められる。
参考リンク:令和3年度病害虫発生予察特殊報3号(大分県)