マダニ感染症の報告数が過去最多ペースに。
マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の報告数が過去最多を更新するペースで増加している。気温が高くなるとマダニの活動が活発化し、農作業でマダニに噛まれる危険性が高まるため、注意が必要。
マダニは草むらや森林、やぶなどに生息し、SFTSのほか日本紅斑熱などの感染症を媒介する。SFTSは発熱、嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こし、白血球や血小板の減少も認められる。致死率は6.3〜30%で、有効な薬剤やワクチンはない。国内では2013年1月に初めて報告され、これまで2019年の102例が過去最多。
6月6日までの報告数は全国で計40例と、同時期では最多。地域別では最多が宮崎県の9例。ほか、広島県が4例、岡山県、島根県、高知県、熊本県が3例、静岡県、山口県、愛媛県、大分県、佐賀県、鹿児島県が2例、三重県、和歌山県、長崎県が1例。宮崎県では死亡も2例報告されている。
発熱、発疹を引き起こす日本紅斑熱も89例の報告があり、こちらも過去最多ペースとなっている。
参考リンク:国立感染症研究所