マダニ媒介の感染症、過去最多ペース。
マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染者が、1月から7月17日までで73例報告された。前年同期の70例を上回り、過去最多のペース。
SFTSは、ウイルスを保有するマダニに噛まれて感染し、6〜14日の潜伏期間のあと、発熱、嘔吐、下痢の症状が表れる。神経症状や出血症状が出る場合もあり、致死率は10〜30%。国内では2013年にはじめて人への感染が確認され、西日本を中心に750件以上の感染が報告されている。SFTSを保有しているマダニは全国で確認されているため、他の地域でも感染の危険性がある。
年間を通じて感染の報告があるが、マダニは春から秋の雨が少ない時期に活動が活発になる。暑さで薄着になりやすい夏は、農作業や山林での作業中に感染したと思われるケースが見受けられる。通気性が良くマダニが付きにくいポリエステルなどの服を着て肌の露出を避けることが感染予防になる。
吸血中のマダニは、無理に引き抜くとちぎれた頭の部分が皮膚に食い込んでしまう事があるので、そのまま医療機関に行き、除去と洗浄をしてもらうようにする。また、噛まれたことに気づかない場合があるので、発熱などの症状が出た場合も医療機関で相談する。
ペットの犬猫からの感染も報告されており、日本医療開発機構によれば、3月末までで猫449件、犬24件の感染が確認されている。定期的にダニ駆除薬を投与する、散歩の後はブラッシングでマダニが付いてないかを確認するなどの対策をとる。
参考リンク:マダニ対策(国立感染症研究所)