サバクトビバッタ、新たな世代の群れが猛威を振るう。
2020年を通して国連食糧農業機関(FAO)はサバクトビバッタ防除に取り組んできたが、新たな世代の群れが「アフリカの角」地域とイエメンで猛威を振るっている。
10カ国130万ヘクタール以上の被害地域で2020年1月から実施された駆除作業により、推定270万tの穀物(年間1,800万人分/約8億ドル相当)の損失を免れることに成功したが、11月にソマリア北部を襲ったサイクロンにより状況が悪化。新たな成虫の群れがエチオピア、ソマリア、エリトリア、スーダン、サウジアラビア、イエメンに新たな脅威をもたらしている。
これまで世界16カ国ほか世界銀行グループなどの機関から2億ドル近い資金援助を受け、バッタ防除対策のため地上噴霧器搭載車両110台、航空機20機が稼働。防除要員1,500人以上に訓練を実施。被害国の食糧生産の保護と食糧不安の悪化を防ぐために活動している。
最も被害を受けているエチオピア、ケニア、ソマリア、スーダン、イエメンの5カ国では、3,500万人以上が急性の食糧不安に陥っており、対策が遅れるとさらに350万人増加する可能性があると推定。監視・防除活動のために4,000万ドルの追加援助の呼びかけがされている。
参考リンク:FAO駐日連絡事務所