白未熟粒米の発生率を予測する診断技術。

登熟期の稲から採取した籾の遺伝子を用いて白未熟粒の発生率を予測する診断技術を、新潟県農業総合研究所が開発した。見た目では分かりづらい高温障害のリスクを早期に判断し、品質低下より前に対策できるようにする狙い。診断技術は特許出願中。

開花後5〜7日に花のサンプルを採取し、「定量PCR」という方法で花の遺伝子を解析。白未熟粒の原因となる15種類の遺伝子のうち、少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定、この遺伝子の発現量から稲の整粒歩合を予測する。整粒歩合は、米粒全量から白未熟粒などの未熟粒を差し引いた米粒の割合として算出できるため、整粒歩合の予測から白未熟粒の発生率を予測することが可能。そのため出穂初期の籾の状態を診断することで、被害の発生率を予測することができる。この予測に基づき、白未熟粒が発生する可能性が高い場合には水管理、施肥管理などの徹底をはかることに加え、刈り取り時期を早めるなどして品質低下を低減する対策がとれる。
特許取得後は、生産者で判別できるような簡易的な装置の開発を進める。

参考リンク:新潟県農業総合研究所