世界で30億人以上が健康的な食事を入手できない。

世界で飢餓人口が増加しており、30億人以上の人が健康的または栄養のある食事を摂る事ができない状況にあると、国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(UNICEF)、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)が共同で制作している「世界の食料安全保障と栄養の現状」で警鐘を鳴らす。

 

2019年には約6億9,000万人が飢餓に陥ったと推定。蔓延率は8.9%。過去5年間で6,000万人近い増加となった。世界で11人に1人が慢性的な飢餓に陥っている計算になる。地域別ではアジアが最も多く、3億8,100万人。次いでアフリカが2億5,000万人だが、栄養不足蔓延率は19.1%と高く、5人に1人が飢餓に陥っている。アフリカは2030年までにアジアを抜き最も栄養不足人口が多くなると予測されている。

重度の食糧不安を7億4,600万人が経験し、中程度の12億5,000万人と併せ世界人口の約25%にあたる20億人以上が食糧不安を経験。また、30億人以上が健康的な食事を経済的に入手できない。特にサハラ以南のアフリカでは人口の77%、南アジアでは58%に及ぶ。健康的な食事は、食事エネルギーを満たすだけの食事に比べ、約5倍の費用がかかり、大部分の低所得国の平均食料消費支出を上回ると推定される。

 

参考リンク:FAO駐日連絡事務所