世界の食料価格、10年ぶりの高水準に上昇。
新型コロナウイルス禍が長引く中、世界の食料価格は2011年9月以来の高水準となり、過去10年で最長となる12ヵ月連続の上昇を記録した。
2021年5月の食品価格指数は、前月より4.8%増の127.1ポイントで、前年同月比で39.7%の増加。前月比としては2010年10月以来最大の増加。石油、砂糖、穀物の高騰と食肉、乳製品の価格上昇が原因と考えられる。
穀物の価格指数は133.1ポイントで、前月より6.0%、前年同月比で36.6%の上昇。特にトウモロコシが最も高騰し、前年同月比89.3%の大幅な増加を見せ、2013年1月以来の最高水準に達した。大麦は前月比5.4%増、ソルガムは同3.6%増。小麦は5月初旬に大幅な高騰を見せたが、欧州とアメリカでの作柄の改善により、前月比6.8%増/前年同月比28.5%増となった。
植物油は前月比7.9%増で、12ヵ月連続の増加。パーム油は2011年2月以来の最高水準になった。
乳製品は前月比1.5%増で、12ヵ月連続で増加したが、これまでの最高水準だった2013年12月より22.8%下回る。
食肉は前月比2.2%増で、8ヵ月連続の増加。
砂糖は前月比6.8%増で、2017年3月以来の増加幅となった。世界最大の輸出国ブラジルで収穫量が減少したが、インドからの大量輸出により価格の急騰が抑えられる形になった。
参考リンク:FAO食料価格指数(英語版)