飼料の一部を大豆かすに置き換え、和牛の出荷時期を早める。
黒毛和牛の配合飼料の一部を大豆かすで代替することで、出荷時期を通常の30ヵ月齢より3.5ヵ月ほど前倒しする早期出荷技術を、岩手県農業研究センターが開発。これにより牛舎の回転率が向上し、年間出荷頭数の約20%増加が期待できる。
飼料の一部を大豆かすに置き換え、濃厚飼料中の粗タンパク質濃度を高める。黒毛和種去勢牛の育成期(3〜7ヵ月齢)では濃度25%、肥育前期(8〜12ヵ月齢)では20%になるよう調整。肥育中期以降は大豆かすを添加せずに飼育し、慣行の配合飼料(育成期20%、肥育前期14%)を与えた牛と比較した。
大豆かすを与えた牛9頭は、平均26.2ヵ月で出荷時期に達し、枝肉重量は471kg。9頭中8頭がA5等級となった。慣行飼料のみの牛6頭は、平均29.7ヵ月で517kg、A5等級が5頭。枝肉重量は劣るが、肉質では差がなかった。
枝肉価格は慣行飼育より1頭あたり約9万6,000円(9%)低くなるが、肥育期間の短縮で飼料費が1頭あたり6万7,000円(18%)少なくなった。他の経費も減らせるため、枝肉価格から飼料費・経費を差し引いた額はほぼ同じとなる。
参考リンク:研究レポート(岩手県農業研究センター)