和牛肉にある独特の「甘い匂い」を測定し画像化しみえる化。
和牛肉にある独特の甘い匂い「和牛香」を測定して画像化することで、輸入牛肉との匂いを見える化(デジタル化)し、違いを「見せる」ことができる技術が開発された。
食品のおいしさや機能性に関する味と匂いの可視化を研究している静岡県立大学院による研究。
人間は、鼻にある400種類近い嗅覚受容体で匂いを認識。その応答パターンから1兆種類以上の匂いを識別している。研究では、389種類の嗅覚受容体発現細胞を培養。受容体が匂いに反応した際の反応の強さを解析。色の濃さで表した2次元バーコードのような画像を生成する。この技術で解析し画像化(デジタルデータ化)することで、客観的に匂いの違いが見て分かるようになる。
和牛と輸入牛では匂いがかなり異なるが、その違いは言葉で表現しづらい。実験では静岡県のブランド黒毛和牛「遠州夢咲牛」と、米国産牛肉をフライパンで焼き、その匂いを測定。画像化すると、大きく違うパターンが浮かび上がった。
匂いは表現方法や記録方法が確立しておらず、時や場所を超えて伝達する方法がこれまでなかった。研究が進むと、曖昧な「匂い」を客観的に評価し伝達、保存する方法が確立する可能性がある。
参考リンク:静岡県立大学食品生命科学科