米作況、下方修正で「99」。収穫量予想727万t。

2019年産米の主食用米の全国の作況指数が10月15日現在で99の「平年並み」となったと、農水省が発表。前回(9月15日現在)から2下がった。予想収穫量は前回から9万9,000t減の727万tとなった。国が需給安定に向けて示す適正生産量は718万~726万tなので、これに近い水準。来年6月末の民間在庫量は今年6月と同水準の189万tとなる見通し。
全国の10a当たり予想収穫量は529kg。前回から7kg減り、前年並みとなった。
作況指数の下方修正は2年連続。2下がったのは2004年以来。西日本を中心に7月の低温や日照不足に加え、九州や中四国でのウンカなどの害虫被害や台風17号による潮風害が影響したとみられる。30都道県で作況指数は下がり、16府県は横ばい、1県で上がった。北海道が1下がり、東北は横ばいだったが、ともに104の「やや良」。北陸は変わらず101の「平年並み」。九州は87、四国は94の「不良」となった。
前回は来年6月末の民間在庫量を199万tと見通していたが、今回の作況を踏まえ、10万t下方修正した。それでも需給安定の目安とされる180万~200万tに収まった。同省は「需給は均衡する」(農産企画課)とみる。
仮に作況指数が100の平年と同じだった場合、収穫量は735万tとなり、適正生産量をかなり上回る。豊作に転じれば一気に需給緩和に向かう懸念すらあった。農水省は「需要に応じた生産に取り組む流れができてきている」と分析。主食用米は事前契約や複数年契約によって安定的な取引を定着させ、飼料用米など転作作物の生産安定を課題に挙げた。