飼料用トウモロコシ生産でのツマジロクサヨトウ対策。

2019年7月に初めてツマジロクサヨトウの侵入が確認され、2020年11月には42道府県の計12品目で被害が確認されている。飼料用トウモロコシの被害が多く確認されており、その防除方法を宮崎大学がまとめた「ツマジロクサヨトウ防除飼料生産マニュアル」の改訂二版が公開された。

ツマジロクサヨトウは夏季に多く発生し、7月下旬に播種し、防除しなかった飼料用トウモロコシ圃場では収量が2割近く低下した。そこで農薬による防除効果を調査すると、散布2日後には散布しなかった区画と比べ半分以下に減少し、一定の効果がみられた。ただ、散布6日後の調査では若齢幼虫が多く発生しており、効果の持続性は長くないと考えられる。また農薬以外の防除として、トウモロコシの間にマメ科植物などを間作することで、発生量そのものの低減と、クモ類などの捕食者や寄生蜂などによる天敵の働きを高められ、発生を抑制することができる。
農薬の散布は、飼料用トウモロコシの草丈が2メートルから3メートルと高くなる生育後半には困難になるため、通常の熟期以前に収穫しサイレージ調整を行う。
これら防除方法の注意点や、試験結果などもマニュアルで詳細に公開。今後の防除対策に役立つ内容となっている。

参考リンク:宮崎大学