散水と送風による気化冷却で、アスパラガスの収量増加。
夏季のアスパラガス栽培で、高温になるハウス内を散水と送風による気化冷却で冷やし、収量を増やす技術を佐賀県農業試験研究センターが開発、特許を取得した。実証実験ではこれまでの栽培方法に比べ収穫本数が30%増加した。
九州産のアスパラガスは、3月に収穫の最盛期を迎える春芽と、6月下旬から7月に最盛期を迎える夏芽の年2回収穫する栽培が主流。夏芽の収穫期に高温になりすぎると、地下茎に養分を蓄える親茎の葉焼けや、収穫する若茎の穂先割れなどが起き、秀品率や収量が低下してしまう。
そこで温湿度の環境改善として、畝ごとに散水チューブと送風ダクトを設置。晴天時、1時間に1回、30秒ほど散水して畝の表面を濡らし、送風ダクトから親茎の葉と根本に風を当て、気化冷却する。気温と地温を低下させ、日中の湿度を高く維持することで、実証実験では夏芽の収量が30%増となった。また春芽収穫開始の前進化が可能となるため、1月〜3月の春芽収量も約30%の増加が見られた。
今後は、複数のメーカーでの商品化を見据え、2023年に一般への普及を目指す。
参考リンク:佐賀県農業試験研究センターニュース