2020年産国産小豆は前年比4割安、新型コロナウイルスの影響。

国産小豆の相場が、記録的な高値となった前年同期と比べ約4割安い。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響で土産物などの和菓子需要が急減したため。北海道産小豆は、2019年産が出回る2019年10月〜2020年9月の消費量が、記録の残る平成以降で最低を記録した。同時に砂糖の需要も減少しており、原料のテンサイやサトウキビの需給が圧迫される恐れが出てきている。

国内で流通する小豆の約9割を北海道産が占める。新物の東京での流通価格は30kgあたり1万3,000円前後で、約3年ぶりの安値水準。昨年夏の同2万1,000円から比べると4割ほど安くなった。北海道産小豆の2019年10月〜2020年9月の年間消費量は、新型コロナウイルスの影響で土産物用などの和菓子の売行きが悪化したことを受け、平成以降で最低の約4万560tに落込んだ。在庫の繰越しも3万2,466tになった。
需要の落込みにより砂糖にも過剰在庫が発生している。原料となるテンサイやサトウキビは、北海道、沖縄県の基幹作物のため、需給を長期に圧迫する恐れがある。産地では菓子メーカーなどが連携して商品開発を手掛け、イベントなどを通じて需要拡大に積極的な取り組みをおこなっていく。また、安心して輪作体系に組み込める契約栽培への支援なども必要になると思われる。

参考リンク:麦類・豆類・雑穀便覧(北海道)