シソ苗で国内初の立枯病が発生。

山口県内でシソの苗の立枯病が確認され、調査の結果シソでの報告例がないカビ菌の一種「ピシウム ミリオタイラム(Pythium myriotylum)」が病原菌であることが22日に判明した。同日山口県病害虫防除所は「シソ苗立枯病(仮)」として特殊法を発表、防除対策を周知した。これまで国内ではキュウリ、サトイモ、トマトなどで発生していたが、シソでの確認は初めて。

シソ立枯病は育苗初期に茎の地表付近が水浸状に腐敗し、倒伏するという特徴が見られる。多湿の場合には白い綿毛状の菌叢が発生。病原菌ピシウム ミリオタイラムは糸状菌の一種で卵菌類に属する。最適生育温度は35度〜38度で、広く野菜類、花き類などの多くの作物を侵す。
10月2日に萩市の農家で被害が発見され、菌を分離しピシウム菌類に詳しい大阪府立大の東條元昭教授に同定を依頼。結果シソにおける発生報告のないピシウム ミリオタイラムと同定された。
防除対策としては、(1)育苗用資材を次亜塩素酸カルシウム錠剤等で消毒、(2)無病培土を使用して育苗し、外部からの菌の持ち込みがないよう栽培環境に注意、(3)施設が高温・多湿にならないように換気を行うことを推奨している。

参考リンク:病害虫発生特殊報(山口県)