永久凍土下に105万種の種子を冷凍保存する「種子の方舟」、地球温暖化に備え準備。
北極圏に浮かぶ、ノルウェー領スバールバル諸島最大の島スピッツベルゲン島。ここには核戦争や破滅的な気候変動が起きた場合に農作物の絶滅を防ぐべく、世界中に約1700ある種子バンクに貯蔵される種子の予備サンプルが保管された「スバールバル世界種子貯蔵庫」がある。この地は永久凍土に覆われており、山肌をくり抜いた施設なら冷却系統の故障があっても氷点下の低音が維持されると期待される。
地球上に存在すると考えられている作物品種の2倍に相当する最大450万種を貯蔵することができ、2020年現在105万種の種子が冷凍保存。何らかの理由で産地から消滅した作物は、保存された種子を使って復活させる事が可能。
地球温暖化の影響は北極圏にも出ている。2016年には北極圏の気温が異常に上昇、永久凍土が融解し貯蔵庫のトンネル入口が浸水。ノルウェー政府は2018年1300万ドルの費用をかけ、冷凍設備と緊急用発電設備などを改修。
2015年のシリア内戦の際、壊滅的被害を被ったアレッポでは、失われたシリア国内の種子バンクに代わって乾燥地帯に適した小麦・大麦などの種子を提供し、その真価を発揮した。