アライグマ捕獲「市民ハンター」制度。導入拡大で捕獲数10倍。

狩猟免許なしに特例外来生物を捕獲できる「市民ハンター」制度。導入自治体は33都道府県に広がる。
アライグマの全国捕獲数は、制度導入当初の3,899頭から3万8,000頭と10倍に増加。

アライグマによる農業被害額が最大となったのは2002年度。より多くの人が捕獲できる制度を求める声が上がったため、2005年に環境省は外来生物法に基づく特例措置を創設。
都道府県や市町村が、特定外来生物の「防除実施計画」を立案し、市民を対象に箱わなの取り扱いや捕獲後の処分方法などの講習会を開催。講習参加者は、指定された地域でのみ、防除対象動物の捕獲をすることができる。
特例措置が導入された翌年の2006年度に全国で捕獲されたアライグマは1万頭。うち特例による捕獲は3,899頭だった。捕獲数は年々増加し、2019年度には6万6,000頭のうち3万8,000頭が特例による捕獲となり、捕獲総数の過半数を占めるまでになった。
アライグマは、1970年代にペットとして大量に輸入されたが、遺棄や脱走により野生化。農作物被害はトウモロコシ、ブルーベリー、スイカなど多岐にわたる。2021年度の被害額は4億1,400万円で過去最多に並ぶ。

参考リンク:日本の外来種対策(環境省)